ニュースリリース

2018.10.04  モバイルミュジアム IN みよし市立歴史民俗資料館 (愛知県三好市)2018/11/3~12/9
2018.06.05 モバイルミュジアム IN 豊田市民芸館第3民芸館ギャラリー(愛知県豊田市)2018/8/25~9/30
2017.08.10 モバイルミュジアム IN 松華堂ギャラリー (愛知県半田市)2017/8/25~9/3
2017.05.16 モバイルミュジアム IN 旧本多忠次邸 涼月祭に参加 (愛知県岡崎市)2017/7/1~9 

不二真直  民俗仮面コレクションの成り立ち
なぜ民俗仮面はすばらしいか !?

古い仮面は、すごい表情をしているでしょう。
古い仮面は、面白い変わった表情をしているでしょう。
古い仮面の目や鼻や口や耳は、奇妙な形をしているでしょう。
古い仮面は、独特の不思議な雰囲気を持っているでしょう。

なぜだかわかりますか。

誰が、いつ、どこで作ったかわからない、古いボロボロの仮面の、どれを取ってみても、皆すばらしいのです。
 中村保雄は、中世の仮面はすべて神である、と言っています。
そうです。古い民俗仮面の裏には、神々がいるといわれています。
その神々が、仮面の表面ににじみ出てくるのです。
古い民俗仮面は、ある部族の、またはある村落の、選ばれた方が、祈りを込めて作り、
人々がそこへ神々を呼んだのです。
 自分の部族の、自分の部落の人々の、苦しみや悲しみや、あるいは災害や疫病や戦争から、
自分たちを守り救うために作ったのです。
古い民俗仮面の多くは、土着の人々による、祭りのための、祈りための、
素朴な無心のしかし必死の心の造形なのです。

だから、古い民俗仮面は、すばらしいのです。

どのように民俗仮面を収集してきたか !?
どのように民俗仮面を収集してきたか !?

民俗仮面を収集するきっかけは?

45年前にもなりますが、30歳の時近くの骨董屋で、鬼の古いボロボロの仮面(コレクション N-25)を見つけ、かなり髙かったのですが、それを買ったのが最初です。それを家の居間にかけると、なかなかいい感じで、気に入りました。これがきっかけで、民俗仮面の収集に次第にはまっていきました。

どのようにして、収集してきたか?

最初に買った仮面にはまったといっても、その後熱中したわけではなく年に2~4の仮面を淡々と骨董屋や骨董市で買うぐらいです。それでも40年以上もだらだらと収集していると、自然に150以上の数になりました。研究のために日本だけでなく世界もうろうろしてきたこともあり、行った先でたまたま面白い仮面を見つけたら買うという具合で、こういう仮面を集めたいとか、仮面をもとめてその目的だけで旅行に行くとかいうことはほとんどありませんでした。

どのような仮面を買ったのか?

たまたまどこかの都市の骨董屋をのぞいたら、面白い仮面が柱にかかっていて、気に入ったら買うという状態です。民俗仮面とのこういう出会いは少ないので、出合ったらなるべく買うようにしています。いつ、だれが、どこで、なんのために制作したかほとんどわかりませんので、そういうことを考えず出会いを大切にして、予算があえば買います。ただ、気味の悪い邪気の入っていると感じる仮面だけは、珍しいと思っても買いません。研究してきたといっても、民俗学や文化人類学ではないので、仮面に造詣が深いわけではありません。買った仮面の種類は、行き当たりばったりのバラバラです。

どのように保存しているか?

展示会で、200近い仮面をどのように保存・収納しているか、という質問をよく受けます。今は20くらいが、いつも生活している1~2階の居住空間のあちこちに掛けています。後残りの170~180くらいの仮面は、3階の屋根裏部屋にあります。その約半数は、屋根裏部屋の壁に金網(格子ネット)を張り、そこにずらーっと掛けています。後は、箱に入れたり引き出しに収納しています。屋根裏部屋は、夏は超暑い時がありますが、仮面の9割は木製で、かつ熱帯地方で制作されているので、暑いのは平気のようです。 これ以上詳しく知りたい方は、次の節を読んでください。



不二真直  民俗仮面コレクションの成り立ち

京都の壬生狂言

私は、京都市中京区壬生で生まれ育った。その地域には壬生寺があり、そこには壬生狂言が今も連綿と続いている。70年前は私の父は、その壬生狂言を支えている壬生若衆の一人だった。私は、父に連れられ、その壬生狂言の舞台裏で、いつも遊んでいた。そこには、すごい狂言面が写真に見るように、いっぱいかけてあった。私が、民俗仮面を収集してきた背景には、70年も昔の壬生狂言の舞台裏が心の奥深くに原風景としてあったように思われる。

はじめて買った仮面

30歳になったころ、何気なく岡崎市井田町にある近くの骨董屋を覗いた時、非常にすごい仮面があり、気に入ったので少し高かったが無理して購入した。それが、コレクッションJ-25である。早速、その仮面を家にかけてみると、すごい存在感があり、すばらしい。これが病みつきになって、それから、仮面の収集にのめりこんでいった。といっても、私の安月給では、年に2~3点気に入った仮面を買うのが限度であった。ともかくこの仮面が、不二真直民俗仮面コレクションの出発点である。

仮面の収集はそう楽なものでもない

古い面白い民俗仮面を収集したいといっても、そういう仮面が、どこにでも転がっているわけではない。30年ほど前に、香港に300~500軒も連なっている骨董屋街があることを聞いて、研修と観光を兼ねて、喜び勇んで香港へ行ったことがあった。噂の骨董屋街はあったが、仮面は全くというほど見あたらない。うまく見つけられないのかもしれないと思い、その後3回も香港へ行った。買えたのは、コレクションN-39の1点のみである。もう一つ別に面白い仮面があったが、非売品であった。4回も香港に渡航して、収穫は1点だけであった。やみくもに海外へ行っても、面白い仮面が買える保証はないということを、身に染みて感じた。北京へは一回行ったが、収穫はゼロであった。

仮面の収集は、出会いである

私は、仮面の収集というものは、日本や世界の骨董屋や骨董市で、偶然気に入った仮面に出合ったとき、その出会いを大切にして、多少無理してでもそれを購入することなのかと考えている。その時パスしたらもう出合うことはないからである。私のコレクションは、そんな気持ちで、45年間民俗仮面を収集してきた結果である。民俗学を専攻してきたわけでもなく、古美術の造詣が深いわけでもなく、能面や狂言面を打つ趣味を持っていたわけでもない。ただ、古いボロボロの民俗仮面が好きで、それらを収集してきたというそれだけのことである。だから、私のコレクションは、そのルーツも制作年代ももちろん制作者もまるっきりわからない、ガラクタの集合である。しかし、どれも世界にひとつしかない素晴らしい仮面たちであると、私は自負している。