アボリジニ

最近アボリジニ・アートに出会って、そのすごさに驚いたことがある。それでアボリジニについての本を数冊読み、改めてアボリジニについて考えさせられた。ご存知のように、10万年以上前からオーストラリアに住んでいた原住民である。文字を持たず、時間概念がなく所有概念もない。意識と無意識、夢と現実のはっきりとした区別もない。宇宙・自然・大地・人間・動物が混然一体として認識されていて、土地を耕すことは聖なる大地を傷つけることであるという。したがって、10万年の間、狩猟採集で生き抜いてきたことになる。考えようによっては、人類史上超ファンタジックでたくましい種族といえる。ピータークックの大陸発見以降、オーストラリアを植民地化するため、英国はこの大陸を侵略し、多数のアボリジニを殺害し、西洋から持ち込んだ病原菌で多数を病死させ、一部を同化しようとした。英国人というのは、何という残虐で強欲で野蛮な人種なのか。人類史上、貴重すぎるほど貴重なアボリジニを、赤子の手をひねるように滅ぼしてしまった。私は、アボリジニのための、鎮魂の仮面を作ろうと思ったが、英国人の低劣さに腹立たしくなり、制作に苦しんだ。アボリジニがカンガルーを祖先と考えていたらしいということから、悲しそうにオーストラリアの大地を去るカンガルーを仮面の額に入れて、時間がかかったが何とか仮面を完成した。

【アボリジニ】

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