ゴーシェ

宮沢賢治の童話、第一弾。図書館で別の本を探しているとき、たまたま宮沢賢治の童話集が目に留まり、少し読んでみた。7~8編読んでみて、そのなかで「セロ弾きゴーシェ」が一番面白かった。田舎楽団のセロ(チェロ)担当のゴーシェは、楽長から楽団の中で一番下手くそと、いつも叱られていた。演奏会が一週間後に迫ってきた頃、夜一人で練習していると、毎晩違う動物が4匹もやってきて、ゴーシェにそれぞれ違う難題を注文し演奏を求めた。彼はいやがらず深夜まで付き合った。演奏会当日、交響曲の演奏は大成功でアンコールの拍手が鳴りやまない状況であった。演奏者は皆疲れ切っているため、困った楽長は何故かゴーシェを指名した。いやいや彼は会場に出ていき、見事すばらしいアンコール曲を披露した。楽長も楽団員たちもびっくりして目をみはったが、ゴーシェは平然として、そのまま家に帰った。家で一息ついて、ようやく少し誇らしい気持ちになったようだ。その時のゴーシェの顔を仮面にしてみた。音楽が顔からにじみ出てくる、そういう仮面にしてみたかったが。


【ゴーシェ】

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