宮沢賢治の童話、第二弾。有名な『銀河鉄道の夜』の主人公ジョバンニが銀河鉄道の窓から楽しそうに天の川を見ている顔を、仮面にした。銀河鉄道という発想自体はすばらしいので、戦後「銀河鉄道999」に引き継がれたような気もする。銀河鉄道では、ただ一人の親友カムパネルラと乗り合わせることになって、二人の楽しい旅になった。列車は次々にすばらしい宇宙の風景の中を走り、おもしろい星座の駅に止り、列車の中には奇想天外な乗客と出会い会話した。ただ、童話の終わりで、夢から覚めたジョバンニがカムパネルラの水死した報を知り、一人寂しく家は帰るという結末が何か童話の終わりらしくない気がした。仮面には、ジョバンニとカムパネルラが肩を組んでいる姿や、車掌、鳥捕りおやじや三角標のイメージを描いて張り込み、全体としてメルヘンチックな雰囲気の仮面にしたつもりだが。
【ジョバンニ】